聖和学園短期大学70周年記念事業

Seiwa History

聖和学園短期大学
70周年記念事業

令和3(2021)年5月、聖和学園短期大学は創立70周年を迎えました。

昭和26年に印刷された「東北(聖和)女子大学設立趣意書」等の原本が学長室に大事に保管されています。それには、戦後の荒廃からやっと経済的に立ち直ってきた反面、社会的には道徳的低落が目立ちそこから立ち上げるべく宗教的信念に基づいた教育の充実が必要として、東北宗教大会が昭和24年に仙台で開催された際、仏教大学設立を満場一致で決議され、それを聖和学園のような仏教主義の女学校が大学を併設する場合には積極的に援助し、また将来幼稚園や小学校の教師となるためにも大学を設けるべきとされ、実行委員会が設置されました。大学設置期成会が中心となって資金集めなどに奔走した結果、昭和26年聖和学園短期大学が開校され、令和3(2023)年5月に創立70周年を迎えました。

10年間のあゆみ(平成23(2011)年度~令和2(2020)年度)

平成23(2011)年度から令和2(2020)年度までの10年間のあゆみは下記のボタンをクリックするとPDFファイルで見ることができます。

記念事業1「利根姫婚礼道具」の寄贈

創立70周年記念として本学が所蔵してきた伊達家由来の「利根姫婚礼道具」等を仙台市へ寄贈しました。内容はこちらを、寄贈に関する感謝状の贈呈式の様子はこちらを、仙台市博物館のお知らせはこちらをご覧ください。

記念事業2「学生歌」の制作

学生歌については、令和3年6月1日から歌詞の募集を始め、全学生、教職員、卒業生、旧職員から募ったキーワード、フレーズをもとに、吉川和夫前学長により補作、作曲したものが令和4年3月1日に学生歌「この丘陵から」として完成し、3月18日の第70回卒業式において披露されました。

学生歌はこちらから聞くことができます。

記念事業3「飯野文庫」

東北大学名誉教授で、後に聖和短大の教授になられた飯野哲二先生が収集していた資料をご寄贈いただいたものをデジタル化したものです。こちらからご覧ください。

「利根姫婚礼道具」仙台市博物館へ寄贈

令和3年、聖和学園短期大学は創立70周年を迎えました。

本学では長年にわたって利根姫婚礼調度品等を所蔵してきましたが、文化財としての価値が非常に高いことから、一括して仙台市(仙台市博物館)に聖和学園短期大学創立70周年記念事業の一環として寄贈いたします。

1 利根姫婚礼道具等の仙台市への寄贈について

令和3年1月28日、仙台市博物館に「利根姫婚礼調度品」等の保存状況等について調査を依頼した結果、婚礼調度の漆器類にカビの跡があり、銀器の黒ずみも進んでいました。また、「古今集歌加留多」や「古今雛七段飾り」についても保存状況は良好でないこともわかりました。原因は冷暖房により温湿度の調整が不十分で、カビ等の発生原因になっていたようです。
伊達家由来の文化財相当の貴重な品々であるため、保管に相当な技術を要し短大での保存が極めて難しく、このままでは漆が剥がれたりすることも予想されることから、市民の方々に本学の宝としてご覧いただき、本学の学生、教職員も管理の行き届いた中で鑑賞できるようにしたいという思いで寄贈するものです。
幸い、本学は仙台市博物館のキャンパスメンバーであり、学生証や身分証明書の提示によって常設展を無料で気軽に観られることから、聖和短大創立70周年記念事業の一環として仙台市に寄贈するものです。

2 寄贈物

利根姫婚礼調度品一式婚礼道具(梨地葵紋蒔絵調度24点)は、徳川家から伊達家第6代当主「伊達宗村」に嫁がれた「利根姫(とねひめ)」(紀州徳川宗直の娘で第8代将軍吉宗の養女)の婚礼調度品として永く聖和短大で大切に保管してきたものです。【調度品構成】
鏡台(鏡掛(かがみかけ)部分欠)、櫛台(くしだい)、嗽台(うがいだい)、鼻紙台、耳盥(みみだらい)および台輪(だいわ)、嗽椀(うがいわん)3口、嗽椀台(うがいわんだい)、鏡立(かがみたて)、柄鏡(えかがみ・大小)、鏡巣(きょうす)、円鏡(えんきょう)2面、剃刀箱(かみそりばこ)等3合、歯黒箱(はぐろばこ)、渡金箱(わたしがねばこ)・潼子(じょうず)2口、歯黒次(はぐろつぎ)2口、水入れ等)等付属品含む
古今集歌かるた桐箱いりで箱蓋に「古今集歌加留多」と墨書され、緑色の紐が付き「第一五一號」の貼り紙は仙台伊達家旧蔵品に見られるものです。本品は大名家において、和歌が百人一首以外にもかるた札となり、親しまれたことを示す貴重な資料と評価されてます。
古今雛七段飾り一式七段15人揃いの雛壇飾りで、丁寧に作られた衣装や雛道具の細工は、昭和初期の伝統的な手仕事の技のすばらしさを示す貴重な資料とされています。

3 寄贈先

仙台市 (仙台市博物館)

4 今後について

燻蒸等の作業を経て仙台市博物館で予定される展示等で、博物館が所蔵する利根姫関連の品々や伊達家由来のものなどと一緒に公開される予定です。

(写真:仙台市博物館提供)
(写真:仙台市博物館提供)