『聖和学園短期大学紀要』ISSN 1342-260X 第61号、2024年3月25日発行
Bulletin of Seiwa Gakuen College edited by Seiwa Gakuen College Vol. 61, March 2024
【著者】 永野篤
【題名】 「発想法(KJ法)」はじめにの変化から読み取る川喜田の意図の検討
【著者(ローマ字)】 NAGANO Atsushi
【題名(英語)】 Scrutinizing the Replaced Preface in Jiro Kawakita’s “Abduction Method (KJ Method)”
【要約】
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)はKJ法の手引書として刊行されベストセラーとなったが、彼の意図は必ずしも適正に受容されず、内容理解についての軌道修正を行うことになった。初版の「はじめに(序文)」では、誰かの手によって発展させられることが望まれていたが、40版では川喜田研究所を中心に行われなければならいことが強調された。また、執筆当時にしか書けなかったような閃きが本書に含まれているが明記されており、この手法とその原理、哲学を把握していくためのヒントが隠されている。
【キーワード】
KJ法、川喜田二郎、発想法、野外科学
【ページ】
1-7 本文を見る
【著者】 山本信
【題名】 保育者志望学生の実習におけるバーンアウトを抑制する要因に関する研究:情動知能と他者からの支援に着目して
【著者(ローマ字)】 YAMAMOTO Makoto
【題名(英語)】 Inhibitory Factors for Burnout among Students in Early Chidhood Education and Care Practice: Forcusing on Emotional Intelligence and Social Support.
【要約】
本研究では、保育者志望の学生のバーンアウトを抑制する要因を明らかにすることを目的とした。保育者養成校の学生75名を対象とした質問紙調査(①情動知能の自己評価、②実習先からの支援、③養成校からの支援、④実習中におけるバーンアウト傾向)を行った。その結果、感情の活用の高さがバーンアウトを抑制することが示された。また、情動知能と実習先・養成校からの支援との交互作用も見られ、特に、実習先における支援によって、学生の情動知能が発揮され、バーンアウトの抑制につながる可能性が示唆された。
【キーワード】
保育者養成、実習、バーンアウト、情動知能、他者からの支援
【ページ】
9-29 本文を見る
【著者】 高間章、飯田巨、及川佳澄、渋谷祐子、渡辺篤史
【題名】 聖和学園短期大学 スポーツ系公開講座 変遷と今後の課題(3)
【著者(ローマ字)】
【題名(英語)】
【要約】
本学では公開講座スポーツ教室を実施している。本研究では第3報として2023年の活動を分析し、スポーツ教室の今後の課題と総合型地域スポーツクラブの設立のための課題を見出すことを目的とした。2023年度は前年度と比較して健康づくり教室の参加者数が減少したため、集客方法の工夫が必要と考えられた。保護者アンケートでは大学への親近感が増したことや、指導内容等の満足度が高いことが確認された。総合型クラブの創立に関して、現在の開催状況で要件を満たしている状況ではあるが、助成を受けるためには会員数が不足しているため、無料教室の参加者の会員化が必要であり、次年度の課題として確認された。
【キーワード】
公開講座、地域貢献、スポーツ教室
【ページ】
31-40 本文を見る
【著者】 高間章、大内彰浩、佐藤浩明
【題名】 8人制バレーボールの普及に関する一考察
【著者(ローマ字)】
【題名(英語)】
【要約】
宮城県で開発されたスポーツの一つに8人制の家庭バレーボール(以下8人制)がある。本研究では8人制愛好者の活動を調査し、今後さらに地域に愛され「いつでも・どこでも・だれとでも・いつまでも」プレイできるスポーツとして普及、発展していくための基礎資料を得ることや、新型コロナウイルス感染拡大下での8人制の活動状況や心身に及ぼした影響を調査することを目的とした。8人制は1950年代に腰痛改善、腰伸ばし体操として始まり、ボールはビニール、ゴムが使用され、皮と比べて軽くやわらかいので恐怖感は少なく、混成の部もあり男女で楽しむこともできる。ルールではコートの大きさやサーブの規定によりラリーが続くように絶妙に設定されていて、バレーボールの様々な魅力を取り入れて、初心者でも楽しめることが愛好されている理由と考えられる。しかし、人数不足や施設の確保が難しくなっているため、大会参加チームはコロナの影響もありピーク時より減少している。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類に移行され、スポーツ活動に対しての制限が無くなったことから、今後は活動の活性化やチームの増加が期待できる。普及に向けての課題は、①教育機関や地域での親睦のための活動の存続、②施設の確保、③大会、交流試合の創出、④8人制バレー知名度向上が挙げられた。
【キーワード】
生涯スポーツ、8人制バレーボール、コロナ禍でのスポーツ活動
【ページ】
41-49 本文を見る
【著者】 相良奈津
【題名】 マジパン細工制作に関しての学生の意識調査その3 —2015年・2016年と2023年のデータを比較検討しベーシックゼミ研究について考察する—
【著者(ローマ字)】 SAGARA Natsu
【題名(英語)】 Student awareness survey regarding marzipan craft production part 3-Comparing data from 2015, 2016 and 2023 and considering basic seminar research-
【要約】
本研究では、本学キャリア開発総合学科の必修科目である「ベーシックゼミ」についての考察である。相良ゼミは製菓衛生師養成課程の学生で構成されており、以前より「マジパン細工制作」をゼミ研究として行っていた。2015.2016年と2023年を比較検討することで今後の「ベーシックゼミ」に役立てていくことを目的とした。その結果、相良ゼミでは「マジパン細工制作」を選択性での実施に変化し、選択する学生は減少傾向にある。しかし自ら進んで選択した学生の作品のレベルは向上しており、コンテストでの入賞もしている。今後は他のベーシックゼミと共同で研究が出来ればよいと考える。
【キーワード】
製菓衛生師、製菓衛生師養成課程、ベーシックゼミ、マジパン細工
【ページ】
51-61 本文を見る
【著者】 上村裕樹、君島智子、宮本美和子、金野麻衣、後藤さくら
【題名】 教育実習評価表からみる教育実習学内指導の課題‐R5年度教育実習生の実習評価表から‐
【著者(ローマ字)】 UEMURA Hiroki, KIMIJIMA Tomoko, MIYAMOTO Miwako, KONNO Mai, GOTO Sakura
【題名(英語)】 Issues in on-campus teaching practice as seen from the teaching practice evaluation table
【要約】
本研究は、令和5年度教育実習における実習評価結果について、令和4年度教育実習評価の結果と比較しながら教育実習における学生の学習成果を明らかとすることで、教育実習学内指導における課題について検証した。その結果、実習生の実習評価は、専門職の専門性評価と重なる部分が大きく、実践を振り返り、省察し、課題を明らかとして、その解決に向けた働きかけを自ら行うことが期待されていることが示された。そのため、自ら思考し、学び続ける継続的で自律的な主体的学習者として育つための学習スキルの獲得が重要でありプログラムの検討が重要である。
【キーワード】
教育実習、実習評価、実習指導プログラム、振り返り、主体的学習者
【ページ】
63-72 本文を見る