「利根姫婚礼道具」仙台市博物館へ寄贈

令和3年、聖和学園短期大学は創立70周年を迎えました。

本学では長年にわたって利根姫婚礼調度品等を所蔵してきましたが、文化財としての価値が非常に高いことから、一括して仙台市(仙台市博物館)に聖和学園短期大学創立70周年記念事業の一環として寄贈いたします。

1 利根姫婚礼道具等の仙台市への寄贈について
令和3128日、仙台市博物館に「利根姫婚礼調度品」等の保存状況等について調査を依頼した結果、婚礼調度の漆器類にカビの跡があり、銀器の黒ずみも進んでいました。また、「古今集歌加留多」や「古今雛七段飾り」についても保存状況は良好でないこともわかりました。原因は冷暖房により温湿度の調整が不十分で、カビ等の発生原因になっていたようです。
伊達家由来の文化財相当の貴重な品々であるため、保管に相当な技術を要し短大での保存が極めて難しく、このままでは漆が剥がれたりすることも予想されることから、市民の方々に本学の宝としてご覧いただき、本学の学生、教職員も管理の行き届いた中で鑑賞できるようにしたいという思いで寄贈するものです。
幸い、本学は仙台市博物館のキャンパスメンバーであり、学生証や身分証明書の提示によって常設展を無料で気軽に観られることから、聖和短大創立70周年記念事業の一環として仙台市に寄贈するものです。

2 寄贈物

利根姫婚礼調度品一式
婚礼道具(梨地葵紋蒔絵調度24点)は、徳川家から伊達家第6代当主「伊達宗村」に嫁がれた「利根姫(とねひめ)」(紀州徳川宗直の娘で第8代将軍吉宗の養女)の婚礼調度品として永く聖和短大で大切に保管してきたものです。

【調度品構成】
鏡台(鏡掛(かがみかけ)部分欠)、櫛台(くしだい)、嗽台(うがいだい)、鼻紙台、耳盥(みみだらい)および台輪(だいわ)、嗽椀(うがいわん)3口、嗽椀台(うがいわんだい)、鏡立(かがみたて)、柄鏡(えかがみ・大小)、鏡巣(きょうす)、円鏡(えんきょう)2面、剃刀箱(かみそりばこ)等3合、歯黒箱(はぐろばこ)、渡金箱(わたしがねばこ)・潼子(じょうず)2口、歯黒次(はぐろつぎ)2口、水入れ等)等付属品含む

古今集歌かるた 桐箱いりで箱蓋に「古今集歌加留多」と墨書され、緑色の紐が付き「第一五一號」の貼り紙は仙台伊達家旧蔵品に見られるものです。本品は大名家において、和歌が百人一首以外にもかるた札となり、親しまれたことを示す貴重な資料と評価されてます。
古今雛七段飾り一式 七段15人揃いの雛壇飾りで、丁寧に作られた衣装や雛道具の細工は、昭和初期の伝統的な手仕事の技のすばらしさを示す貴重な資料とされています。

 3 寄贈先
仙台市 (仙台市博物館)

4 今後、燻蒸等の作業を経て仙台市博物館で予定される展示等で、博物館が所蔵する利根姫関連の品々や伊達家由来のものなどと一緒に公開される予定です。

(写真:仙台市博物館提供)